大阪「純喫茶アメリカン」レポート


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大阪「純喫茶アメリカン」レポート
京阪神のターミナル駅周辺を散策しているとムード満点の老舗喫茶店をよく見かけます。重厚でレトロなただずまいだけでも大いに魅力を感じますが、いざ入店すると個性的なメニューや行き届いたサービスといった永続的な人気を誇る理由がよくわかるポテンシャルが高い店が多いものです。

喫茶店数ナンバーワン都道府県の大阪、特に筆頭繁華街であるミナミにおいては、そのような上質な老舗喫茶店はアチコチに点在しています。中でも著名なのが創業70年を迎える「純喫茶 アメリカン」でしょう。

「純喫茶 アメリカン」は、数々のメディアに取り上げられるとともに、大阪市主催の「生きた建築ミュージアム」といった文化的イベントにも何度もピックアップされる実力派です。

近年は海外からの観光客が急増したミナミ自体にあまり出向く機会が減っていたのですが、戦後から支持される「純喫茶 アメリカン」の魅力とコーヒーの味を確かめるために、地元客中心であろう平日の午前を狙って足を運ぶことにしました。

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純喫茶アメリカンの店内

お店は、道頓堀と千日前通りの間というミナミど真ん中に立地。それも道頓堀から難波グランド花月に繋がる道沿いとあり、お店周辺は平日でも賑やかでした。
店の前のショーケースには数々のメニューが勢揃い。

純喫茶アメリカンのショーケース1
純喫茶アメリカンのショーケース2

その中でもフルーツがこぼれそうなほど詰め込まれたパフェ系のインパクトは強烈。これは期待できそうだ…!

入店すると予想以上に広々としています。
純喫茶アメリカンの店内
2Fもあるようで、席数は合計で何と200以上もあるのだとか。お店にはひっきりなしにお客さんが来店していましたが、ソロにもかかわらず広い席に通していただきました。

豪華なシャンデリアやキッチュな水玉の椅子、重厚な絵画…。「ザ・レトロモダン」の店内を眺めていると、まるで昭和にタイムスリップしたような気分に。

清掃やメンテナンスが行き届いているのか決して古さはなく、贅沢かつ気品のあるムードを作り出しています。個人的には高めの天井にやや暖色系の照明、店内に飾られた植物に居心地の良さを感じました。

そのとき、観光客は3組ほどいましたが、それ以外は年賀状を書くオバちゃんにサボり中の営業マンなど、意外にも地元勢が多いのが印象的でした。

メニューブックもこれまたお洒落です。ゴールドの星が散りばめられたデザインがチープさとゴージャスさが入り交じっていてセンス抜群。そして、その中身の分厚さにびっくり。かなりのメニュー数とあって悩みましたが、名物「ホットケーキ」とコーヒーが味わえるモーニングセット(770円)に決定。

単品ならどちらも550円なのでお得ですね♪


アイスコーヒー(モーニングセット)

アイスコーヒー

注文後、まずはアイスコーヒーが到着。その深みのある黒から「もしや…」と察しましたが、予感は的中。かなり香ばしいアダルトな苦みが喉を通ります。

ウエイターに尋ねると、豆を9種ほどブレンドした自家焙煎コーヒーとのこと。香味がしばらく後を引くしっかりとした味わいに、思わずニンマリとします(モーニング専用ではありません)。

ただ、ブラックしか飲まない硬派なコーヒーファン向けとは僕は思いません。このようなストロングコーヒーほど、ガムシロップやフレッシュとの相性がよいと感じるからです。さっそく甘さ加減やマイルドさを自分の好きなバランスに調整。深い香味を存分に楽しむこととします。


ホットケーキ(モーニングセット)

ホットケーキ

しばらくして、ホットケーキが着弾しました。分厚い生地が2枚重ねで見た目にもボリューム感は上々。ただ、派手にデコレーションした「パンケーキ」が引き続き流行中とあり、どちらかというと素朴さで懐かしい印象を受けます。

すでに6等分されており、ここからさらにナイフを入れていただきます。

まずはシロップをかけずに生地だけ味わってみると…? ん~、しっかりと塗りこまれたバターがジュワッと染み出して美味しい。

よく知っているホットケーキの味ではありますが、強めのバターの風味とフワッフワな生地とのバランスが絶妙です。生地のやわらかさを楽しむのもアリですが、2枚いっぺんに頬張って贅沢な気分を味わうのもいいですね。

シロップはメープルではなく透明タイプ。ガムシロップと最初は思いましたが、何となくハチミツの風味も感じられるような? それでもメープルよりは主張は控えめのため、生地とバターの風味を際立たせるのが狙いでしょうか(憶測)。

もちろん、アイスコーヒーとの相性も抜群。氷が溶けるとともに味わいがマイルドに変貌したコーヒーもなかなかのもので、大満足のモーニングとなりました。

その後、しばらくコーヒーを味わいつつ読書にふけていると、カレーやピラフといった洋食メニューを注文しだす客が増えだします。これに欲が掻き立てられないわけがありません。小腹が空いたタイミングでランチセットをいただくことにします。

ピラフ・オムライス・チキンライス・ビーフカレー・ミートスパゲティの強豪と迷った末にイタリアンスパゲッティにチョイス。ネーミングから昭和感が伝わりますよね……。


イタリアンスパゲッティ

イタリアンスパゲッティ

しばらくすると、期待のメインディッシュ「イタリアン」が着弾。大ぶりにカットされたソーセージに野菜、それが絡む太めの麺は見ているだけでテンションが上がります。

口に入れてみると、その濃厚な味わいにびっくり。憶測ですが、トマトケチャップの他に、焼きそばソース? またはデミグラスソース?を入れているような存在感のある味です。

この濃密なソースに太めの麺が絡んでうまい! 最近の主流であるアルデンテではなく、もっちりとした食感でどこか懐かしい印象を覚えます。

後半はタバスコをかけて味にメリハリをプラス。ナポ…いやイタリアンスパゲッティにタバスコはマッチしますね。
スパゲッティだけでも食べ応えは◎ですが、これにサラダもついてボリューム的には納得です。


ホットコーヒーを注文

この食後にホットコーヒーを注文。アイスの印象からホットも「超アダルト」を想定しましたが、かなり飲みやすいマイルドな味。

ちょっと拍子抜け…? しかし、舌の後ろの方を通るたびにしっかりとした深みと香りが広がります。ホットコーヒーは、ブルーマウンテンを含む8種をブレンドした豆を使用しているとのこと。お店の雰囲気とマッチする上品な味に至福の気分。十分にくつろげたタイミングでお店を後にしました。

なお、さすがにモーニング&ランチ後とあって追加注文はできませんでしたが、他にも気になるメニューは数多くありました。その中でも当日迷ったのが…

プリンファッション(1240円)…他のエリアで言うところのプリンアラモード。純喫茶アメリカンではフルーツがかなり盛られていてインパクト十分。シーズンによってはおおぶりなスイカが刺さっていることも…。ほろ苦いカラメルがかかったハードタイプのプリンも人気の秘密のようです。

ホットサンド(700円)…ハム、レタス、タマゴといった食材を使用したベーシックなホットサンド。フルーティーなトマトケチャップとやや辛めのマスタードが味のカギ。ギッシリっと詰まった具に食べ応えも◎。

バリエーション豊富なケーキはミナミの老舗洋菓子店からセレクトされているようです。プレミア感のある愛らしいデコレーションのものが中心で、子どもへのご褒美なんかにもいいかもしれませんね。

もちろん、コーヒーとセットで楽しむのも有りです。また、プリンも名物のようで、こちらはテイクアウト用にカップに入ったバージョンもあり。ロゴが入ったケースや紙袋に関西人ならテンションが上がること間違いなし。これは大阪土産としてもっと人気が出てもいいのでは? と思いますが…

なお、気になった方も多いと思いますが、純喫茶アメリカンは、決してリーズナブルなお店ではありません。オッチャンの競艇の話で店中が盛り上がるような下町風情は一切なし。純喫茶アメリカンは、「落ち着いた空間で息抜きしたい」という人向けのちょっと贅沢なお店です。

ただ、前述のように純喫茶アメリカンは、料理、ドリンクの味は確か。そもそも他では見られない独特のムードだけでも訪問の価値はあるでしょう。さらに執事?のような制服を決め込んだウエイターの上品なサービスを加味すれば納得のプライスだといえます。

純喫茶アメリカンは、毎日通ってランチ&モーニングを…といった感じではなく、自分へのご褒美や久々に再開する友人とのお喋りなど、いつもより上質な時間を過ごしたいときにはおすすめです。大阪・ミナミにこられた際はぜひご注目を。以上、「純喫茶アメリカン」のレポートでした!


純喫茶アメリカン基本情報

店名:純喫茶アメリカン
電話:06-6211-2100
住所:大阪市中央区道頓堀1-7-4 株式会社アメリカンビル
定休日:第2・第3とその他の木曜(月3回)
営業時間:9~23時
モーニングセットは11時まで。ランチセットは11~14時(いずれも日・祝を除く)
喫煙:可。
アクセス:阪神・近鉄大阪難波駅、御堂筋線なんば駅をおりて地下街(なんばウォーク)を西進。北側に現れるラウンドワンから地上へ。千日前商店街を北上(ビックカメラと逆側)。道頓堀の手前に店舗。徒歩10分。日本橋駅からも徒歩圏内。南海難波駅からは徒歩12分、四つ橋線なんば駅からは徒歩15分、JR難波駅からは徒歩18分。
食べログ評価:http://tabelog.com/osaka/A2701/A270202/27005758/

<主要メニューについて>
▼ドリンク
コーヒー(550円)、紅茶(550円)、ココア(620円)、ウインナーコーヒー(650円)、生ホットレモン(720円)、ミックスジュース(720円)、イチゴジュース(720円)、クリームジュース(820円)、
ウイスキー入りコーヒー(850円)

▼食事
オムライス(820円)、チキンライス(820円)、ビーフカレー(820円)、ミートスパゲティ(870円)、イタリアンスパゲッティ(870円)、
ビーフカツ(ライス付き。1400円)、玉子サンドウィッチ(870円)、野菜サンドウィッチ(870円)、ビーフカツサンドウィッチ(1290円)、

▼デザート
イチゴ・フルーツ・クリーム・プリン・宇治金時・ミルク金時・西瓜のフラッペ(820円)、
フラッペ()チョコレートパフェ(820円)、フルーツポンチ(870円)、切メロン(1030円)

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