色々な種類のコーヒーの抽出方法
ここでは「ペーパードリップ」「ネルドリップ」「フレンチプレス」「サイフォン」「水出し」「パーコレーター」「イブリック」「浸漬」などコーヒーの抽出方法の種類や抽出別アレンジコーヒーの種類、グラインド(粒度)の種類と特徴を解説します。
コーヒーの抽出方法の種類
コーヒーの歴史は長く世界的に愛されている飲み物です。そのため、各国で美味しさや便利さを追求した事により、さまざまな淹れ方が誕生しました。
抽出方法によって使用する道具が違えば、味わいも変わってきます。コーヒーを好きな方は、自分好みのコーヒーの味を引き出すためにも、色々なコーヒーの抽出方法について知っておくとコーヒーの奥深さを楽しめます。
コーヒー専門店などでは、抽出方法から選べる場合もありますので、どういった特徴があるのか知っておくとコーヒー選びの楽しみも増えます。主なコーヒーの抽出方法についてまとめてみました。
ペーパードリップ
ペーパードリップは、コーヒーの淹れ方としては最もポピュラーなスタイルです。ドリッパーに紙のフィルターを乗せ、コーヒーの粉を入れたらお湯を注いで、コーヒーをゆっくりと抽出する方法です。家庭でも本格的なコーヒーを飲みたいという方達に人気があります。
ネルドリップ
ネルドリップのネルは、”フランネル”の略で、起毛した織物の事です。ペーパードリップと同じくドリップ式の抽出方法ですが、ネルドリップは、ネルの布袋をフィルターとして使います。
ドリップコーヒーの元祖であるネルドリップは、ペーパーフィルターとは違い、洗えば繰り返し何度でも使うことができます。
フレンチプレス
欧米では広く普及されているフレンチプレスは、プレス容器にコーヒーの粉を入れてお湯を注ぎ、3~4分間プレスして抽出する方法で、金属のフィルターを通してろ過します。
そのため、コーヒーに含まれる油脂分が、そのまま抽出されるのでコクのあるコーヒーが楽しめます。電気を使わないので、アウトドアなど屋外でも楽しむことができます。
サイフォン
ガラスのフラスコとロートを使用するサイフォンは、蒸気圧を利用してコーヒーを抽出する方法です。
コーヒー専門店で取り扱っている事も多いサイフォンですが、ドリップコーヒーと比べて淹れる人の技術に左右される事が少ないというメリットがあります。
また、抽出するプロセスが、外側から観察することができるため、見た目にも楽しめコーヒーファンから根強い人気があります。味わがまろやかで香り豊かなコーヒーに仕上がります。
水出し(ウォータードリップ・ダッチコーヒー)
水出しコーヒーは、ウォータードリップ、ダッチコーヒーとも呼ばれています。ロブスタ種の多いインドネシアの産地で生まれた抽出方法で、低温で抽出する事によって苦みを押さえる事ができます。深煎りの豆を使うアイスコーヒーを淹れる時に、水出しコーヒーは適しています。
パーコレーター
1827年にフランスで公安され、アメリカの開拓時代に普及されたパーコレーターは、ポットに水、バスケットにコーヒーの粉を入れて火にかけると、蒸気圧によってバスケット中央のパイプが上がり、粉に落ちて抽出される方法です。直接火にかける事ができるため、キャンプなど屋外でコーヒーを淹れる時に便利です。薄味から濃い味まで調節できるものの、安定した味を出すことが難しいのが難点です。
イブリック
16世紀のオスマントルコ時代に広がったトルコ式コーヒーであるイブリックは、ジャズベとも呼ばれています。
イブリックの器具は、銅や真鍮製の小さい鍋のような入れ物で長い柄が付いています。イブリックに直接粉を入れてコーヒーヒーを抽出します。細かいコーヒー粉を煮出して、フィルターなどで濾す事なく、沈むのを待って上ずみ部分を飲む方法となります。
味わいは濃厚でコクのあるコーヒーに仕上がります。
浸漬(しんし)
浸漬は、最も原始的なコーヒーの抽出方法です。グラスやコップに直接コーヒーの粉を入れてお湯を注いで抽出します。
コーヒーの粉は細かく挽いたものを使い、かき混ぜて粉が沈むのを待ち、上ずみ部分を飲みます。特別な道具が必要ない手軽さはありますが、やはり濾す作業をしないため粉っぽさが残ります。
抽出別アレンジコーヒーの種類
コーヒーは、砕いた豆をお湯に通して、旨み成分を含んだ液体を抽出します。その抽出方法によって味や香りが変わってきますので、アレンジコーヒーを楽しむ際には、どの抽出方法が適しているのか見極められると美味しさを楽しめます。主な抽出方法によるアレンジコーヒーの種類をまとめました。
ドリップコーヒー
・ブレンドコーヒー
・アメリカンコーヒー
・カフェオレ
・ウィンナコーヒー
・フレーバーコーヒー
ドリップコーヒーとは、コーヒー豆を砕いた粉に、お湯を浸透させて成分を浸出させる最もポピュラーな抽出方法です。
浅煎りや中煎りなど、さまざまな豆の特徴を活かす事ができるため、多くのコーヒーはドリップ式のコーヒーになります。
エスプレッソ
・エスプレッソ
・カフェラテ
・カプチーノ
・マキアート
・カフェモカ
イタリア語で”速い”を意味するエスプレッソは、マシンを使って圧力をかけてコーヒーを抽出します。エスプレッソマシンにも色々なタイプがあり、「蒸気式・ポンプ式・レバーピストン式・全自動式・モバイル式・直火式」などがあります。
高圧力をかけて抽出するため、エスプレッソは濃厚なコーヒーを淹れる時に使用しますので、「深煎り」の豆を使用します。
ドリップ式とエスプレッソ式の味の違い
エスプレッソ式のコーヒーは、コーヒー豆に含まれる脂肪分が多く抽出されます。コーヒーの脂肪分は、”コク”となりますので、ドリップ式と比べると香味が異なり、やや強みがあります。
コーヒーを淹れる時にも、エスプレッソ式で淹れると芳醇な香りが広がりますが、ドリップ式の方が味が劣っているというわけではありません。ドリップ式は、香り、酸味、苦みのバランスを楽しめる幅が広いため、コーヒー豆の魅力を堪能できますし、エスプレッソ式ならアレンジコーヒー作りにも向いています。それぞれの香味の違いを楽しみましょう。
グラインド(粒度)の種類と特徴
コーヒーは、豆のままでは抽出することができません。豆を粉砕して粉状にすることを「グラインド」と言います。
グラインドによってコーヒーの香味が変わりますが、美味しいコーヒーを淹れるためには、抽出方法に適した粒度を選ぶことです。グラインドによる味の違いや適した抽出方法についてまとめました。
粗挽き
粗挽きは、粉の表面積が少ないため抽出に時間がかかり、酸味が強くなり苦みが弱くなります。粉を多めに使用する抽出方法に適しています。
・ドリップコーヒー
・パーコレーター
中挽き
中挽きは、酸味や香味のバランスが適度なため、多くの抽出方法に適しています。最もポピュラーな抽出方法であるペーパードリップでは、中挽きの粉を使用します。好みの味を見つけるには、まずは中挽きで基本的な味を知るのがおすすめです。
・ドリップコーヒー
・コーヒーメーカー
・サイフォン
・フレンチプレス
細挽き
細挽きは、粉の表面積は増えるため、成分の抽出が速くなり、苦みが強く酸味が弱くなります。苦み(コク)を強調したい時の抽出時に適しています。
・ドリップコーヒー
・水出しコーヒー
・イブリック
・浸漬
極細挽き
極細挽きは、パウダー状で最も細かい粒度です。エスプレッソマシンに向いていますが、家庭用ミルでは細かくすることが難しいため、エスプレッソ専用のミルを使います。ただし、直火式のエスプレッソの場合は、目詰まりの原因となるので細挽きを使うようにしましょう。
・エスプレッソマシン