福岡市カフェ 珈琲美美(コーヒー ビミ)レポート
珈琲美美は福岡市の中心地、天神から自転車での移動圏内となる、赤坂に店を構えているカフェです。福岡市営地下鉄の桜坂駅からもほど近い位置にあります。
赤坂には下の写真にあるように、護国神社という神社があり、そのすぐ近く(写真では右端)に珈琲美美は位置しています。護国神社では明治維新~大東亜戦争までの国難に殉じた護国の英霊約13万柱をお祀りしています。この辺りは何度も自転車で通りがかったことはあったのですが、珈琲美美は今回初めて伺いました。
珈琲美美の外観
下の写真が珈琲美美の外観です。
壁のレンガがレトロな雰囲気を醸し出していました。ドアに書いてある「珈琲美美」のフォントもオシャレですね。2つお隣に骨董品屋さんがあり、お店の並び的にも合ってるなと感じました。
近くにある天神が人でゴミゴミしていたり、現代的な建物が多いので、その近くの赤坂にある静かな佇まいのお店がより際立ちました。今回、博多から天神を通り抜けてバスで移動してきたのも、そう感じた原因の1つかもしれません。
店の外の壁にも新メニューが貼ってありました。
「サン イルガチェフェG1」はエチオピアの会社から特別に輸入したコーヒーだそうです。
飲んだ後にクセになる甘味が人気の、エチオピアでは希少価値の高いコーヒーです。
「杜のコーヒー」というのは初めて聞きましたが、フィリピン・ミンダナオ島の山奥に眠っているアラビカ種のひとつです。最も原種に近いと言われている品種で、長形の豆で優れた香りと酸味を持っていますが、収穫が隔年であったり、病気に弱いという理由も相まって、生産量は低いそうです。要はとても稀少なコーヒー豆ということですね。そういうコーヒーを仕入れる辺り、お店に入る前からすでにコーヒーに対するこだわりを感じました。
珈琲美美 店内の雰囲気
店に入ると、1階に会計を行うレジがあって、飲食するスペースは2階となっていました。1階にはオーナーの森光さんが珈琲美美をオープンさせる前に指導を受けたと言われる東京の「吉祥寺もか」で使用していた焙煎機があり、今でも使っているとのことです。また、コーヒー豆の販売も1階で行っていました。
2階はカウンター席とテーブル席がありました。今回、私1人で伺ったため、カウンター席に案内されカウンターの端、窓際の席に座りました。店内ではゆったりとしたBGMが流れ、とてもリラックスできる雰囲気。
この日の福岡はとても寒く、コートを着ていたのですが、珈琲美美の店内はとても暖かく、冷やされた体が温まりました。他にも何人かお客さんがいましたが、みなさん静かにされていました。珈琲美美は、そういう落ち着いた雰囲気が好きな人が集まるお店なのかもしれませんね。
珈琲美美のメニューを一通り見終わった後、コーヒーとスイーツを注文をすると、カウンター席の向かい側、ちょうど私の目の前でコーヒーを淹れてくれました。こんなに近くでコーヒーを淹れる過程を見たことがなかったので、その手際の良さや所作一つ一つがとても新鮮で美しく、印象に残りました。
まさに職人技だなと感じました。珈琲美美の店員さんに伺ったところ、オーナーがお店を福岡の今泉にオープンしたのは1977年のことだそうです。その後、2009年に今の赤坂の場所に移転してきたとのことでした。1977年からというと、もう39年です!
この経験の豊富さをオーナーや店員さんの立ち居振る舞いからも感じ取ることができました。店員さんは注文がないちょっとした合間にも、カウンター内の細かいところの掃除を丁寧にされていて印象に残りました。
珈琲美美は通販でコーヒー豆が買える
カウンターにはコーヒー豆の通信販売用チラシが置いてありました(下の写真です)。今までこういう珈琲専門店のようなカフェには行ったことがなかったので、コーヒー豆を注文できるということ自体、とても本格的だと思いました。
一口にコーヒーと言っても味に細かい違いがあることがチラシを見ていて伝わってきました。とても繊細な味や香りの違いを感じ取る世界なんですね。コーヒーに限らずですが、日本人は海外に比べてもとても繊細な感覚を持っているので、そことも通じる話ですね。
珈琲美美のメニュー
こちらがメニューの1ページ目です。
今まで一度も聞いたことがない名前のコーヒーであふれていました。ムニール・モカはイエメン産の稀少なコーヒー豆だそうです。産地としてはアフリカや中東、中南米のコーヒーが並んでいます。
こちらがメニュー2ページ目です。
デミタスコーヒーの意味を知らなかったのですが、エスプレッソと同じ意味だそうです。暑い夏にはバリエーション珈琲の冷たいカフェ・オレも飲んでみたいです。マザグランと言う名前は初めて聞きましたが、アルジェリアの地名でもあり、フランス語で 「冷やしコーヒー」 と言う意味です。この地での戦闘により伝えられたグラスに入れたコーヒーの名前になったそうです。歴史の勉強にもなりますね。
イブラヒム・モカはコーヒーの原種と言われている歴史の深い豆です。イエメンの西部山岳地帯にあるバニー・イスマイル地方の小粒なモカ種でその香りと酸味は高く評価されています。
こちらがメニュー3ページ目です。
ブレンド珈琲には淡味、中味、濃味、吟味ブランドの4種類がありました。今回注文したのは、淡味です。デザートとしてフルーツケーキを頼んだのですが、それに合うコーヒーは何ですか?とマスターに質問したところ、淡味をオススメされたので、それに決めました。
驚いたのはスイーツというか、食べ物系のメニューがこのフルーツケーキしかなかったこと。ここからもオーナーのコーヒーに対するこだわりを感じました。スイーツではなく、徹底的にコーヒーで勝負されるんだな、と。
今回注文した商品の総額はフルーツケーキの400円とブレンド珈琲 淡味の550円、合計で950円でした。
珈琲美美で注文したブレンドコーヒーの淡味
こちらが、今回注文したブレンドコーヒーの淡味です。
出されてからすぐ飲んだのですが、熱すぎず、ぬるすぎず、ほどよい温度で、とても飲みやすさを感じました。淡味なだけに苦味も強すぎず、でした。苦すぎるのは苦手でもあるのと、やや甘いフルーツケーキとの相性もとても良かったです。森光さんに聞いてから注文して正解でした!
珈琲美美で注文したフルーツケーキ
こちらがブレンドコーヒー淡味と一緒に注文したフルーツケーキです。
7種類のフルーツを3種類のお酒に別々に漬け込み、じっくり焼いたケーキ、とのこと。レーズンなどのドライフルーツはどちらかというと苦手なほうなのですが、このフルーツケーキはとても食べやすく、甘すぎない感じとお酒が漬け込んである点がとてもおいしく感じました。
とてもおいしかったので、コーヒーがかなり余っている状態ですぐにペロリと平らげてしまいました。フォークが金属ではなく、木製なのもいい雰囲気を出していますね。お皿も木ですし、お店のデザイン全体的に「木」をイメージさせるデザインとなっているように感じました。
こちらはメニュー最後のページです。
メニューにも年末年始の予定を載せてあるのが珍しいなと感じたのと、すごい気配り・心配りだなと思いました。たまに演奏会などのイベントもやってるみたいですね。1階のレジの向かいにもいろんなイベントなどのチラシが置いてありました。
私が見ていて一番驚いたのが下の方に書いてある、エチオピア視察旅行です!
毎年、お店メンバーの多くが参加して、産地などの視察に行くそうです。これまでもケニア、タンザニア、フィリピンなどにも行かれたそうです。元旦から1/16までという、2週間以上もの時間とお金・労力をかけてまでも、コーヒーの産地を訪ね、コーヒーに対して学ぶ姿勢を持ってらっしゃるのはとても素晴らしいことだと思います。
しかも正月はゆっくり家で過ごしたい気持ちがある方がいらっしゃるのでは?と思いますので。この、お正月に視察旅行にまで行かれるということが、今回初めて珈琲美美さんを伺って得た一番の衝撃でした。
珈琲美美レポート「まとめ」
今回、初めて珈琲美美さんに伺いましたが、赤坂の街の静かな雰囲気とお店の中の静かな雰囲気とがマッチして、外観もとてもいいお店だと感じました。
こコーヒーのメニューのバリエーション、使っている道具、オーナーや店員さんの雰囲気、コーヒーの味・香りなど全て満足のいくお店でした。オーナーの森光さんは高齢のためもあってか、時々椅子に座られたりして休まれていましたが、少しでも長く続けていっていただきたいです。
店内も静かで日々の仕事や生活でセカセカしているときこそ、リセットするのにとても良い空間ですね。フルーツケーキをコーヒー飲みながらいただいた後、なかなか時間が取れずに読めていなかった本を読んでいたのですが、お店自体が静かな雰囲気のため、とても落ち着いて本を読むことができました。
身近なコーヒーが大好きな友だちにも紹介したいですし、日本各地や海外にいるコーヒー好きな友だちにもぜひ紹介したいと思えるお店でもありました。
また伺いたいです!
珈琲美美 基本情報
URL:http://cafebimi.com/
最寄駅:福岡市営地下鉄 桜坂駅
交通手段:福岡市営地下鉄 桜坂駅から716メートル
住所:〒810-0042 福岡県福岡市中央区赤坂2-6-27
電話:092-713-6024
営業時間:AM11:00~PM7:30 (オーダーストップ PM7:00)
定休日:月曜日と第1火曜日(ただし、祝日の場合は翌日)
その他:全席禁煙、駐車場なし