コーヒーと血圧の関係
コーヒーを飲んで血圧が上下することはあるのでしょうか?健康のバロメーターとも言える血圧。コーヒーを愛飲している方は気になるところですよね。コーヒーと血圧の関係について調べてみました。
コーヒーは高血圧予防に効果がある?/h2>
これまでコーヒーは、血圧を上昇させるカフェインが含まれている事から、コーヒーを飲む事は高血圧症を招くと考えられてきました。しかし、近年の研究結果では、コーヒーを飲んだ方が高血圧症のリスクが下がる事がわかりました。
高血圧症の女性約3万人を対象に、12年間に渡ってコーヒーと血圧の関係について調べた結果、血圧が上がるどころか高血圧症のリスクが下がるという傾向が認められたのです。
コーヒーを1日に4杯以上飲む方は、1日に3杯までの方と比べても高血圧症のリスクが減るという結果も出ています。では、どうしてカフェインを含むコーヒーが血圧を下げる効果があるのでしょうか?
コーヒーが血圧を下げる理由とは?
コーヒーを飲むことで高血圧症のリスクが下がる理由は、コーヒーに含まれる「クロロゲン酸」と呼ばれるポリフェノールが大きく関係していると考えられます。ポリフェノールには、動脈硬化の抑制や抗酸化力に優れ、酸化ストレスを軽減して血液の循環を良くします。
例えば、チョコレートのカカオや赤ワインにもポリフェノールが含まれている事は有名ですよね。コーヒーに含まれるポリフェノールのは、赤ワインと同じくらいです。そしてアルコールも含みませんので、高血圧を下げる効果が得られるのです。
ちなみに、カフェインレスのコーヒーにおいても、クロロゲン酸が含まれていますので、カフェイン入りのコーヒーと同じように血圧を下げる効果が得られます。
高血圧を予防するためのコーヒーの飲み方と注意点
血圧を下げる効果があるコーヒーですが、1日の摂取目安量や飲み方で気を付けなければならない点をまとめてみました。
1日の摂取目安とは?
コーヒーと血圧の関係について調査した研究結果によれば、1日に4杯以上コーヒーを飲む方は、3杯以下の方と比べて高血圧症のリスクが減ることがわかっています。では、4杯以上なら何杯飲んでも良いのか?と言えば、そうではありません。
コーヒーには「カフェイン」が含まれている事も忘れてはいけません。カフェインの過剰摂取は毒性があり、成人の方は1日にコーヒーを4杯程度までにするのが健康に良いとされています。そのため、カフェインの過剰摂取を避けるためにも、高血圧予防のためにコーヒーを飲む方は「1日4杯」を目安にしてみましょう。
コーヒーを飲む時に注意したいこと
コーヒーが高血圧予防に効果があるのは、あくまでブラックコーヒーの話です。コーヒーにミルクや砂糖を入れて飲む方は、脂質や糖分が加わりますので血圧上昇に繋がります。
特に、缶コーヒーには添加物等も含まれていますので、ドリップコーヒーのブラック4杯と缶コーヒーを毎日4本飲むのとでは、健康効果に差が出てきます。
血圧を下げるためには塩分を控える事は知られていますが、糖分の取り過ぎも血圧を上昇させる原因となります。そのため、コーヒーを飲んで血圧を下げたい、高血圧を予防したいと考えている方は、コーヒーの成分のみを摂取することができるブラックコーヒーで飲むようにしましょう。
コーヒーは低血圧の改善に効果がある?
低血圧は、体がだるい、頭痛、肩こり、不眠、朝起きるのがつらい等の症状があります。コーヒーを飲むことは、高血圧の予防や改善に効果がありますが、低血圧の改善には効果があるのでしょうか?
低血圧にコーヒーは逆効果!
低血圧の原因は、実はハッキリとわかっていない点が多く、血行不良や遺伝などが関係していると言われています。また、低血圧には色々な種類があり、原因不明の本態性低血圧、ベッドなどから立ち上がった時にふらついてしまう起立性低血圧などがあります。
そのため、これらの低血圧を改善するためには、コーヒーの摂取よりも食生活を改善することが有効とされていますので、タンパク質やミネラルなどを積極的に摂取しましょう。
カフェインを摂取すると目が覚めたり、体を冷やして血行不良を起こす原因にもなるため、低血圧の症状が重くなる可能性がありますので、夜寝る前に飲む事やコーヒーの飲み過ぎに気を付けましょう。また、低血圧の症状とよく似ている貧血は、まったく原因が異なり鉄分不足が原因です。
コーヒーが有効なのは食後低血圧
コーヒーは低血圧の改善に効果はありませんが、実は例外としてコーヒーの摂取が有効とされる低血圧の種類もあります。高齢の方や神経障害の方がなりやすい「食後低血圧」という症状に関しては、食事をすると消化吸収のために大量の血液が腸付近に集まり、心臓の血液量が減ってしまうため血圧が低下します。
そのため、食後にカフェインが含まれているコーヒーを飲むことで血管を収縮させ、心臓から送り出す血液の量を増やすため、食後低血圧を予防する効果があります。